Sunday, October 5, 2014

Dussehara ~ Ramayana ~


突如と空き地に現れた巨大な人形は、
 『ラーマーヤナ』に出てくるラヴァンという悪魔だそうです。

昨日まであちこちの広場に、「ドゥシェラ」のお祝いのために立てられていました。

 この「ドゥシェラ」とは、ラーマが、ラヴァンを倒した祝祭の日です。


この機会に、 インド文化や芸術の至る所で出てくる、
『ラーマーヤナ』を少しご紹介します。
 
今長編を少しずつ読んでいますが、
理解している限りでは、こんな徳のあるお話です。


〜♥〜
神々を悩ませる羅刹ラーヴァナがいました。
ラーヴァナは特別な力を与えられており、
やっつけられるのは人間だけと言われていました。

そこで世界の主であるヴィシュヌ神に依頼して、
人間界に化身として誕生し、ラーヴァナを倒すよう、
神々が以来しました。

そこで、コーサラ国の王の息子として、世にも美しく勇敢なラーマが誕生します。



シータという姫がいました。
あるとき、この姫のために、
国内外のたくましい勇者を招いて、コンテストをしました。

とても頑丈だと言われている弓を割ることができた人を結婚相手にするためです。

そのコンテストに参加した者のうち、

ラーマというコーサラ国の王子のみが、その弓を割ることができ、

シータとラーマはめでたく結婚しました。

 ところが、コンテストに参加したが、弓を割ることができなかった、

ラヴァン王は怒り、シータを自国スリランカへさらってしまいます。

ラーマはハヌマーンの力を借り、
シータを取り戻すために、ラヴァンと戦い、ついに勝利を収めます。

そして、ラーマは、シータを連れてコーサラ国へ帰りました

 〜♥〜


ラーマが、魔王ラヴァンとの戦いに勝った日が、今日のドゥシェラになります。

(いつもナヴァラトリの最終日が「ドゥシェラ」なのは、

ラーマでさえも、ラヴァンとの戦いに勝つために女神に祈りを捧げたからだそうです。)


〜☆〜


さて、このお話は、善が悪に勝つヒーロー物語と言ってしまえば単純ですが、

もう少し意味があります。


ドゥシェラとは、サンスクリット語の2つの言葉(Dasha Hara)で出来ていて、

誰しも人間が持つであろう、10つの良くない性質を取り除くことを意味します。

ラヴァンも怒りや執着を持たなければ、魔王ではなく、
一国の王に過ぎなかったのですね。

この10つの人間の性質に打ち勝つという意味で、

「ドゥシェラ」は、「ヴィジャイダシャミ(Vijaydashami ヴィジャイは勝利)」とも言われます。

10つの性質・
 Kama vasana (Lust) 情欲
Krodha (Anger) 怒り
Moha (Attachment) 執着
Lobha (Greed) 貪欲
Mada (Over Pride) 過剰な誇り
Matsara (Jealousy) 嫉妬
Swartha (Selfishness) 自己中心
Anyaaya (Injustice) 不正
Amanavta (Cruelty) 残酷
Ahankara (Ego) エゴ


以上、若干マニアックになりましたが、インド人が愛する祝祭の日です。

また、インドのお正月と言われる「ディワリ」は、この20日後です。

ラーマとシータが国に帰ったので、
光を灯してみんなで大喜びする、という日になります。

そろそろイルミネーションで、家々が明るく飾り付けされ始めています。

 


ハッピードュシェラ!